「粘菌」の活用

フランス・パリのパリ動物公園において、「粘菌」の展示が始まったそうです。

この「粘菌」は、世界中どこにでも存在する単細胞生物で、脳を持たないにもかかわらず、動いたり食べたり問題を解くことさえできるという未知の生物。
こんな「粘菌」が脳を持たないにも関わらず迷路の中を進むことができるということで、理想の交通ネットワークを設計考案する上で役立つかもしれないと、さまざまな研究が始まっているそうです。

例えば、シャーレ上で培養している粘菌をえさ場がある迷路に入れると、最短経路を探し当て、それに沿って自分の細胞を組織化するとのこと。
粘菌は自分にとって害となる光などのストレス要因を避けながら、えさ場に到達するという、経路の「最適化」を行える一種の情報処理能力があるとのことです。

また、ある研究者は、粘菌は人類の最先端技術よりもはるかに効果的なネットワークを作りだすことができると語っています。

複数の通過点を経由する最適なルートを探し出す分析において、粘菌は、何の計算もすることなく、場当たり的に広がりながら最適ルートを徐々に見つけていくとのことです。
なんて効率のいいことでしょう。笑

粘菌は何億年も生き続けた結果、環境の変化に対して柔軟に適応できるようになり、不測の要因にも耐えうるネットワークを構築できるようになったのではないだろうかとも言われているようです。

また、粘菌は温度や湿度の変化といったストレスにさらされると、活動を停止することが研究で分かっており、そのストレスを記憶することで、同じストレスを体験すると予測したときに、あらかじめ自己防衛的に活動を停止することも判明しているそうです。

脳がないのにストレスを記憶する。いったいどこに記憶するのでしょうか。

「粘菌」という生物について、今回初めて知りましたが、生物の持つ能力というものは人の想像を超えたものなんでしょうね。